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生コンとは・・・

生コンクリートのことを略して“生コン”といい、まだ固まっていないコンクリートのことをいいます。 生コンの材料には、セメント・水・細骨材・粗骨材・混和材(剤)が使用され、分かり易くいえば、セメント・水・砂・石、それに、生コンに使われる水を少しでも減少することが出来る薬剤から成っています。生コンの材料は、日本の産業の中で唯一、国内で調達されるものであるといっても過言ではないと思います。
また、生コンは色々な形状・寸法の構造物を造り出すという長所があります。
当然、良い材料を使用すればそれなりの“良いコンクリート”が出来ますが、生コンの原点はいかに経済的で、尚且つ“良いコンクリート”を造ることだと思います。
その経済的で、尚且つ“良いコンクリート”を造るには計画から施工、そして、しっかりとしたコンクリートとして役割を果たす為の養生が必要となります。これらを踏まえてしっかりと生コンを育てていけば本当にすばらしい構造物となっていきます。
ところで、長所もあれば短所もあります。生コンの賞味期限には時間制限があり、また、間違った使い方をすればひび割れ等が発生し、耐久性に欠点が生じます。それと、コンクリートとしての強度を発現するのに時間がかかります。(通常28日)
つまり、長所を生かし、短所を少なくするには、しっかりとした品質管理をし“コンクリートを育てる”という意識が必要になってくると思います。

1. 生コンを作る

私たちが住む町にはビルや住宅、学校や病院、ダムや高速道路など様々な建築物が建てられています。その多くにコンクリートが使われています。
コンクリートという言葉自体はよく耳にしますが、はたしてコンクリートとはどのようにつくられているのでしょうか。


セメントとコンクリートの違い

セメントとは水と反応して硬化する(固くなる)性質をもった粉のことです。コンクリートはこのセメントと砂利や砂など(骨材と呼ばれる)、それに水を加えることで作られます。つまり石や砂などをセメントと水で固めたものがコンクリートと呼ばれ、その固まる前のものを生コン(フレッシュコンクリート)と呼びます。


セメントとコンクリートの違い

大阪誠建のグループであるナニワ生コンの工場を紹介しましょう。生コン工場には「材料の貯蔵設備」「材料運送設備」「計量装置」「練り混ぜ装置」「生コン積み込み装置」「洗車設備」があります。「計量装置」「練り混ぜ装置」「生コン積み込み装置」の実際にコンクリートを作る設備をあわせて「バッチングプラント」と呼びます。
「材料の貯蔵設備」にはコンクリートの材料となるセメントと骨材が貯蔵されています。毎日大量のコンクリートが作られるため、いつも大量の材料が貯蔵されています。貯蔵されている材料を運ぶのが「材料運送設備」。骨材はベルトコンベアで、セメントは空気輸送、水と混和剤はポンプを使って「バッチングプラント」へ運びます。


「バッチングプラント」へ運ばれた材料は「計量装置」で正確な量を計り、「練り混ぜ装置」へ材料を移し(上から落とす)、出来上がったものを「生コン積み込み装置」から運搬用のトラック(ミキサー車)へ移します。この作業はすべてコンピュータで管理され、構造物のニーズに合わせた品質のコンクリートが作られています。
また、ナニワ生コンの工場では余った生コンを処理する「洗車設備」をふくめて、工場内に降る雨水まで全て工場内で循環させてつかっています。工場から工業廃水を外に流すことは一切ありません。


2. 生コンの品質管理

強さと柔らかさの絶妙なバランスが大切

生コンの品質について説明しましょう。コンクリートはビルや住宅を建てる材料として使われることが多いので、その品質管理は非常に重要となります。長年使っていたり、地震がきたときに崩れてしまっては、人の命を左右しかねないので、固まったときの強さ(強度)は特に重要です。
また、コンクリートは自由に形をかえられます。それを利用していろんなデザインの建築物が建てられたりしています。そのために生コンを型に打ち込む時に、型のすみずみまで行き渡る軟らかさをもっていなければいけません。
しかし軟らかすぎると混ぜ合わせた材料が固まる前に分離して立派な構造物ができないので、そのバランスが難しいのです。

セメントとコンクリートの違い

前のページでコンクリートの材料はセメントと骨材と水と説明しましたが、実際はそれに「混和剤」という化学物質を混ぜて、コンクリートの品質を調整しています。大阪誠建ではコンクリートの品質管理を行うため、ナニワグループ各プラントの試験室でコンクリートの検査を行ってから出荷しています。
コンクリートの品質は「強度」「スランプ(軟らかさ)」「空気量」「塩化物含有量」の数値を計ることによって管理しています。

「強度」とは文字通りコンクリートの強さのことで、試験用に固められたコンクリートに上下から圧力をかけて、ひび割れが入るまでの力を測定して調べます。コンクリートは非常に大きな圧力をかけないと崩れないため、試験室では大きな「圧縮強度試験機」を使って強度を測定しています。
「スランプ」とは生コンの軟らかさの数値で、「スランプコーン」と呼ばれるカップに生コンを詰めて、カップを引き上げたときの生コンの下がり具合(どれだけへこんだか)を測定します。
「空気量」は生コンに含まれる空気(気泡)の量のことで、混ぜ合わせるときに自然に入るものと、混和剤によって調整するものがあります。
「塩化物含有量」は生コンに含まれる塩分の量のことで、例えば骨材につかう砂利や砂に、海の砂などを使うと塩分が多すぎて、建築物に使う鉄筋が錆びてしまうおそれがあります。生コンに含まれる塩分は規定以下でないと出荷はできません。


3. 生コンを運ぶ

チームワークが大切です

工場で出来上がった生コンを運ぶときも、注意が必要です。混ぜ合わせた生コンは時間がたつとだんだんと固まっていくので、すばやく運ばなければいけません。大きな建物を建てるためには、その分多くのコンクリートが必要になるのでペース配分も重要。工場と建築現場、そしてコンクリート運搬の手配をする人のチームワークが大切となるのです。また、交通渋滞や車の故障など、予期せぬ事態があっても生コンは待ってはくれません。品質が落ちると、建物の強さなどの安全性が落ちることにもなりかねません。安全、確実にコンクリートを運ぶことが大切です。

生コンは「生もの」

生コンの品質が変化しにくいように混ぜながら運ぶことができるコンクリートミキサー車の誕生によって、生コンの発展はもたらされたといわれています。
それでも運搬に時間がかかると、生コンの品質は徐々に変化してしまいます。生コンも、鮮魚などと同じ「生もの」だと言えるでしょう。そのため工場でつくった生コンは90分以内に現場に納品しなければいけないと決められています。大阪誠建では大阪府茨木市の「ナニワ生コン 本社工場」と「ワールド」、兵庫県尼崎市の「ナニワ生コン 尼崎工場」の三カ所から生コンを出荷。北摂地域をカバーし、品質のよい生コンを提供しています。


4. 生コンを打ち込む

建築現場では、基礎や壁、柱など様々なところにコンクリートが使われています。
現場に運ばれた生コンはあらかじめ用意された型枠に打ち込んで、固められます。型枠の隅々まで、まんべんなくコンクリートを打ち込むには、技術と経験が必要となり、うまく打ち込まないとコンクリートの強さを発揮することができません。

セメントとコンクリートの違い

納品されたコンクリートは打ち込み現場までダイレクトに運ぶために、ミキサー車からポンプ車へ移されます。コンクリートの品質が落ちないうちに素早く作業をおこないます。
実際の現場では、作業時の気温を確かめることも重要です。特に寒い場合は生コンが凍ってしまうこともあり、そのためにもコンクリートの品質や養生を考えることが必要です。
また、気温によってはコンクリートの強度が発現しにくい(硬化が遅れる)こともあるので、現場の天気は毎回気になります。
また、一度に全部のコンクリートを打ち込むことはできないので、最初に打ち込んだ生コンが固まらないうちに次の生コンを打ち込まないといけません。

丈夫できれいなコンクリートのために

これまで説明した生コンの製造、品質管理、運搬、打ち込みの全てが上手くいかないと、丈夫できれいなコンクリートはできません。そのために大阪誠建およびナニワグループでは、すべての工程に注意をはらいながらコンクリートをあつかっています。
こうしてつくられたコンクリートは街づくりのあらゆるところで活躍しています。私たちがつくったコンクリートが人々の生活を支えていること、安全できれいな建物にはコンクリートが欠かせないこと。町中でミキサー車やポンプ車が走っているのを見たら、思い出してみてくださいね。