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こころ温まるエッセイ -男 ・ 星野-

 

みなさま、こんちには^^

 

またまた、こころ温まるエッセイのお時間がやって参りました。

今回は、北京オリンピック野球日本代表の監督をも務めた、

星野仙一さんのお話です。

 

 

 

 

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プロ野球星野元監督が奥さんの葬儀で行った挨拶です・・・

 

 

「みなさん、寒い中、妻・扶沙子を送ってもらい、本当にありがとうございます。

昭和四十四年からこの名古屋で私と、つい先ほどまで一緒に暮らしました。

やんちゃな私をあの手この手でなだめながら、今思えば扶沙子の手のひらで

一生懸命頑張ったように気がします。

昨夜も申し上げましたが名古屋をこよなく愛し、私以上にドラゴンズを愛してくれました。

現役を退いて、東京での評論家生活が続き、いつ名古屋に戻ってこられるか分からない時、

そろそろ東京で一緒に暮らそうと言うと、

 

『いいえ、あなたは名古屋で育ちました。中日ファンにここまで大きくしてもらいました。

決して名古屋を動いてはなりません。』

 

と叱咤激励してくれました。

 

 

 

 

今年は素晴らしいナゴヤドームを造って頂きました。

私には直接言いませんでしたが、娘たちには

 

『ナゴヤドームでパパの胴上げを見たいね。もう一度胴上げを見て死にたいね。』

 

そんなことを言っていたようです。

選手も今年は精一杯頑張ってくれるはずです。

 

 

4、5日前までは苦しんで苦しんで病魔と闘って、7年間入退院を繰り返し、

必死になって家族の為に頑張ってくれました。

私は病魔に負けたとは思いません。

頑張った女房を褒めてやりたい。

素晴らしい教育をしてくれました。

自慢できます。

 

 

『今年はナゴヤドーム。頑張ってね。』

 

 

そんな言葉で終わったと思います。

関係者のみなさん、選手のみなさん、ありがとうございます。

扶沙子も喜んで天国に行ってくれると思います。

寂しいです。悲しいです。悔しいです。

みなさんも本当に健康に気をつけて頑張ってください。」

 

 

 

この後、霊柩車は火葬場に行く途中、予定を変更し、

ナゴヤドームに向かいました。

ドームを一周したところで車は止まりました。

 

 

星野元監督は、五分間だけ一人にしてくれと周囲に頼むと、

お棺を霊柩車から半分出し、

 

「なぜ死んだんだ。ドームでパパの胴上げ見たいね、それまで頑張ると約束したじゃないか。

かあさん、なぜ死んだんだ!」

 

「必ず優勝してみせる。かあさん、見守っててくれよ!」

 

 

と号泣したそうです。

 

 

星野元監督が大学時代に一目惚れをして始まったふたりの物語は

永遠に続くかのようです。

 

 

 

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2016.06.27

こころ温まるエッセイ -東日本大震災当日の東京ディズニーランド‐

 

 

みなさま、こんにちわ。

蒸し暑い日が続いていますが、体調はいかがでしょうか。

 

世間では、知事の不祥事や歌手の方の不祥事・・・などが話題になっています。

ニュースを観ていて思うことは、記者会見や審議での質問、ここぞというときの対応が、

この先の命運の分かれ目だと感じました。

ここぞというときに最大のパフォーマンスをするためには、

日ごろからの準備が必要だと教えてくれる今回の『心あたたまるエッセイ』をご紹介します。

 

 

 

 

 

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東日本大震災当日の東京ディズニーランド

 

3月11日、午後2時46分。

「夢の国」であるディズニーランドで楽しいひと時を過ごしていた人たちを、突然襲う激しい揺れ。

「これもアトラクションのひとつか?」と思った人もいたかもしれません。

しかし、収まらない揺れにようやく自分たちが大地震に見舞われたことが判りました。

 

泣き叫ぶ子どもたち。

その場から逃げようと無我夢中になる人々。

広い園内が大パニックに陥ろうとしたそのとき場内に男性のアナウンスが流れました。

震災発生から約40秒が経過していました。

 

「皆様にお知らせいたします。ただ今、地震がありました。

建物のそばにいらっしゃる方は建物から離れて広いところでお待ちください」

「地震と園外の状況は、確認が取れ次第ゲスト(来園者)の方々にお知らせします」

 

沈着冷静に行動する1万人のキャスト(従業員)だち。

「頭を守ってしゃがんでください!」

「どうぞ、その場から動かずお座りになってください!」

と声をかけながら不安で怯えるゲストに駆け寄り、心身のケアを行います。

これが、7万人ものゲストを一切混乱させず無事避難誘導した東京ディズニーリゾートの、

キャストたちの活躍の始まりでした。

 

東京ディズニーランドでは震度6、来園者10万人を想定した防災訓練を、年間実に180日行っています。

加えて、5万人が3~4日過ごせるだけ食糧を備蓄しています。

万が一の事態が起こり、ゲストが怪我をかれたり、最悪、お亡くなりになる状況に至れば、

「夢の国」のブランドが嘘になります。

想定外を想定内にしておく備え。

それがあってこそ、日常を忘れて虚構世界に浸って貰うことが可能になります。

それが本当の安心・安全。

「全てはゲストのため」その哲学がキャスト一人ひとりに浸透していました。

 

午後3時22分には社長をトップとする「地震対策本部」が設置されました。

現場のレベルで判断できない重要事項を本部が決定する間、

全従業員が各々の活躍を見せました。

 

あるキャストは店頭のぬいぐるみ「ダッフィー」を持ち出し、

「これで頭をお守りください」と差し出します。

防災ずきん代わりに使用してもらう為です。

 

別のキャストは店頭販売のクッキーやチョコレートを無料で配布します。

「必ず皆様のお手元にお届けますのでその場に座ってお待ちください」

と混乱が起きないように声をかけながら。

 

これらの行動は、誰からも命令されていません。

独自に作った地震対策基本計画に基づく防災訓練で、

使えそうなものは何でも使ってよく、ゲストの安全確保の為には、

たとえ店舗の店舗の商品であっても率先して提供して良いとされています。

それを受け、各キャストが不文なりに動いたのでした。

 

夕方、ディズニーランドでは、雨が降り出し、気温10度まで冷え込んできました。

その際もキャストたちは自主的に行動しました。

 

お土産用のビニール袋や青いゴミ袋を雨カッパ用に提供し、

それでも足りなかった為、段ボールまで取り出しました。

ゴミが散乱し、園の美観が損なわれることは「夢の国」にあってはならない!

と普段は食料の持参を禁止するほど景観維持を徹底しているのにです。

美観を汚すことにしかならない段ボールを持ち出しました。

キャストたちがいかにゲストの安全を第一に考えていたかが判ります。

 

心のケアもキャストたちじゃ忘れていません。

お土産袋を渡しながら「皆さん、お土産袋はお持ちですか?

そして皆さん、お土産袋に『隠れミッキー』(ミッキーマウスの形)がいるっていうのはご存じですか?

よろしければさがしてみてください」と声をかけたキャスト。

また、シャンデリアの近くにいた為、余震の恐怖におびえる子供だちには

「皆さん大丈夫です。僕はシャンデリアの要請ですから。何があっても皆さんを守ります。大丈夫です。」

と明るく笑顔で話したキャスト。

 

キャストだけでなく「夢の国」を支える肝心のキャラクターたちも大活躍でした。

地震発生直後パレード中だったウエストランドではパレード車が緊急停止。

キャラクターたちは自分で車から降りられない状態に。

しかし、ミニーや妖精の外国人たちは救出されるまでの数十分間、なんとゲストたちに

手を振り続けたのでした。キャストやキャラクターたちの冷静かつ愛情溢れる行動は、

不安の絶頂にある人々を勇気づけ慰めました。

 

そして夜、帰宅出来ない2万人がここで一夜を過ごすことになりました。

まだ交通機関が不通になっています。

そんな状態で園外に出れば多くの人が路頭に迷ってしまします。

ならば園内で十分に休んで貰い、外の状況が落ち着いてから帰宅して貰おうという判断によるものでした。

 

早くゲストを少しでも暖かい建物内に入れたい!

しかし、その為には建物の安全確認が必要でした。

そこで、先に点検が済んだディズニーシーへ移動して貰うことに。

普段、ランドとシーへ行き来はディズニーリゾートラインという乗り物を使用します。

しかし電気の今日お灸が止まっているので動きません。

一般道路を歩いての移動は大きくお回り道、その上、液状化現象が起きていて危険です。

そこで開園以来28年間守ってきた掟を本部は破ることにしました。

従業員専用のバックヤードと呼ばれる通路の開放です。

これにより短距離でかつ安全にディズニーシーへと移動することができるのです。

バックヤードは配線や基盤がむき出しになった工場のような空間。

「夢の国」では無くなります。

しかし、キャストが開ける扉の先に広がる光景にゲストは目を奪われました。

 

何百人ものキャストがペンライト片手に両サイドに並び光の道うぃ作っていたのです。

2つの「夢の国」を繋ぐ為に開放された無機質の空間が突如感動的な演出により、夢の通路へと変貌したのでした。

ゲストの安全を最大限に確保しつつ「夢の国」のイメージも見事に演出しました。

 

ディズニーランドが見せたプロが成せる術でした。

支給された毛布を使用し無事に2万人は夜を過ごした。

非常食の温かい「ひじきご飯」もふるまわれました。

 

こうして、東京ディズニーランドでの長い一日が終わりました。

 

 

 

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2016.06.08

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